アップサイクル×水引

アップサイクル×水引
■“水引細工” の伝統技術と地球環境を、次世代に繋げていくためのコラボレーション

水引の起源は一説によると、飛鳥時代に小野妹子が遣隋使派遣から帰国した際に、持ち帰った返礼品が紅白に染め分けた麻の紐で結ばれており、当時の推古天皇に献上して以降、宮廷への献上品は紅白の麻の紐で結ぶことが慣例となったからだと言われています。当時の麻は「くれない」と呼ばれており、平安時代には、当時の貴族たちがこの紅白に染め分けた麻の「くれない」の解きほどいた紐を、青や黄や紫色などに染めて自作の詩歌の詠草を綴じ合わせたり、歌詠みの会で、短冊の一端を紅白に染めて男女間で交換したりしていました。これが次第に民間に伝わり、時代と共に変化して、今日のように贈答品を始めとして、祝い事、神事、仏事に水引が用いられるようになりました。

水引は色や形といった多様な“結び“によって、言葉では表しきれない、感謝や寿ぎの気持ちを伝える役割を担っており、縁結びの意味が込められることもあります。その結びの多くは口伝文化で継承され発展してきましたが、近年の慶弔をはじめとする冠婚葬祭の簡素化により全盛期に比べると職人の数も減少傾向にあると言われています。他方で古来からの伝統を大切にしながら、固定観念にとらわれることなく、水引を様々な作品に活用する可能性も見出されています。

・水引アーティストによる創作アクセサリーを制作

使用後の紙資源や未利用の間伐材から紙糸を制作するプロジェクト「TSUMUGI」と、"いつも ココロ はずむ"をテーマに水引のアート作品やアクセサリーを企画・制作・販売する「東京水引」のコラボレーションが実現しました。水引の伝統技術と地球環境を次世代につなげていくため、水引アーティスト・中村江美が、プロジェクト「TSUMUGI」による「アップサイクル水引」を使用して様々な創作アクセサリーを制作しました。

水引が持つおもてなしの心や気品、感謝の気持ちを大切にする精神性を活かしたデザインと、「TSUMUGI」の自然由来で軽く、柔らかい色合いが掛け合わさった創作アクセサリーは日常生活にも溶け込みます。