アップサイクル×会津型

アップサイクル×会津型
■「創作」と「工芸」がひそむ芸術の街・喜多方市の伝統工芸会津型を次世代に繋げていくためのコラボレーション

「会津型」とは、江戸時代末期から昭和初期にかけて福島県・喜多方で製造され東北一円に広がっていた「染型紙」です。型紙を使って染色し、布地に模様をつけることを「型染め」と言い、喜多方は伊勢白子、京都、江戸と並ぶ染型紙の生産地でした。当地で生産した和紙・柿渋・水で作った渋紙に彫刻刀で紋様を掘り、藍染等によって繊細な模様をつけられることが特徴で、当時は着物や浴衣といった庶民のファッションとして広く親しまれていました。

洋服の普及や印刷技術の発展により、昭和10年頃には一度途絶えましたが、そのデザイン性の高さや型彫師の細微な技術が評価され、現在は福島県と喜多方市の有形民俗文化財にも指定されています。





 

 

アップサイクル紙糸「TSUMUGI」を用いた『アップサイクル会津型』を制作

こうした中、プロジェクト「TSUMUGI」と、喜多方市で「会津型」の保存・普及活動に取り組む「染織工房れんが」による伝統技術と地球環境を次世代に繋げるためのコラボレーションが実現しました。

「会津型」に保存されている伝統的なデザインや技法を踏襲しながらも、東北地方で広く親しまれている「赤べこ」をはじめとする現代の生活にも馴染みやすいデザインを、「TSUMUGI」の生地に「型染め」しています。また生地の補強や防寒のため、東北地方で独自に発達した技法である「刺し子」を用いた伝統的な模様の製品も制作しました。手仕事ならではの味わいと、藍の優しさ・温かみのあるデザインが魅力です。一枚一枚に職人の想いが込められており、私たちの生活に新しい彩りを加えてくれます。

染織工房 れんがについて

「染織工房れんが」は、会津型の伝統と技術を守り、広めることを目的とした「会津型研究会」によって設立されました。会長の冠木昭子は、地域のイベントで講師を務めるほか、会津型を用いた商品
の開発も行っています。また、予約制の会津型の型彫り体験や、会員限定の定期的なイベント
「型彫りカフェ」も開催しており、染織に魅了された人々が集い、交流を深めています。